デザインコンセプトを言語化するために大切なこと
デザインの仕事では、アイデアや世界観を形にするだけでなく、「言葉で伝える力」も欠かせません。とくに、プロジェクトの初期段階でコンセプトを言語化できるかどうかは、その後の進み方に大きく影響します。
今回は、デザインコンセプトをうまく言葉にするために大切なポイントを紹介します。
1. クライアントの思いを正しく読み取る
最初に意識すべきなのは、クライアントの思いを読み取ることです。
コンセプトを考える前に、どんな想いや背景があって依頼されたのかを丁寧に理解することが大切です。これができていないと、デザインの方向性がぶれてしまい、何度も修正が発生してしまう原因になります。
ヒアリングの段階でしっかりと相手の意図をつかむこと。ここを丁寧に行うことで、デザインの言語化もうまく進みます。
2. 選んだデザインには理由を持つ
デザインには見た目の美しさも大事ですが、「なぜこのデザインにしたのか」を説明できることも同じくらい重要です。
たとえば、色を選ぶときも、形を決めるときも、自分なりの理由を持っておきましょう。
「このグラデーションは多様性をイメージしています」
「この数字は施設の特徴を象徴しています」
といったように、納得感のある説明ができると、クライアントにもきちんと意図が伝わります。
3. クライアントの言葉を使って伝える
説明するときは、できるだけクライアントが使っていた言葉に寄せると効果的です。
依頼時に出てきたキーワードや表現を拾って話すと、「自分たちの思いをちゃんと理解してくれている」と感じてもらいやすくなります。
専門用語ばかり並べると、逆に伝わりにくくなってしまうので注意しましょう。大切なのは、相手がスムーズにイメージできる言葉を選ぶことです。
4. いいコンセプトはアイデアを広げる
しっかりと言葉で整理されたコンセプトは、プロジェクトの方向性を決めるだけでなく、新しいアイデアを生み出すきっかけにもなります。
たとえば、「開放感」をコンセプトにしたなら、そこから「広がりを感じるビジュアルにしよう」「動きも軽やかにしよう」といったアイデアが自然と広がっていきます。
コンセプトはデザイナーだけでなく、プロジェクトに関わる全員の「共通の道しるべ」にもなるのです。
まとめ
デザインを言葉にすることは、クライアントとの信頼関係を深めるためにも、プロジェクトを円滑に進めるためにも欠かせないスキルです。
- 相手の思いを正しく読み取る
- デザインに理由を持つ
- クライアントの言葉を使って伝える
- コンセプトを共有してアイデアを広げる
この4つを意識することで、デザインにもっと説得力が生まれます。「言葉にすること」も、デザインの一部と考えていきましょう。