第0回:Laravelとは?なぜ選ばれているのかをざっくり理解しよう
「Laravel(ララベル)って名前はよく聞くけど、何ができるの?RailsとかDjangoとはどう違うの?」
私がレシピ投稿サイトを作ろうとしたとき、最初に出てきた疑問がまさにこれでした。PHPは知っていても、「フレームワーク」という言葉自体に馴染みがなく、Laravelという名前だけが先行していて、正直よく分かっていませんでした。
でも、少しずつ学んでいくうちに「これはWebアプリケーション開発の強い味方だ」と感じるようになりました。
この記事では、Laravelの基本的な特徴や魅力を、初心者目線でわかりやすく紹介していきます。
Laravelとは?
Laravelは、PHPで作られたWebアプリケーション用のフレームワークです。簡単に言えば、「Webアプリを作るための便利な道具が一式揃ったセット」です。
Laravelは「MVC(Model-View-Controller)」という設計パターンに基づいていて、アプリを構造的・効率的に作れるように設計されています。
たとえばこんなことができます:
- サイトに表示するページを作る(View)
- ユーザーからの操作に応じて処理する(Controller)
- データベースとやり取りする(Model)
つまり、Laravelを使えば「ユーザーが投稿したレシピを保存して表示する」といった一連の流れを整理して作れるというわけです。
他のフレームワークとの違いは?RailsやDjangoと比較してみる
Laravel(ララベル)と並んでよく名前が出てくるのが、「Rails(Ruby on Rails)」や「Django(ジャンゴ)」というフレームワークです。これらは使う言語が違うだけで、どれもWebアプリケーションを素早く開発するための道具という点では共通しています。
ここではLaravelとのざっくり比較を紹介します。
Ruby on Rails(Rails)
- 使う言語:Ruby(ルビー)
- 特徴:
「設定より規約(Convention over Configuration)」という考え方が特徴で、Laravelよりも書くコード量が少ない場合もあります。
スタートアップ向けのプロトタイプ開発にもよく使われます。 - 代表例:BASE、Wantedly など
Django(ジャンゴ)
- 使う言語:Python(パイソン)
- 特徴:
管理画面や認証機能が標準で強力に用意されていて、業務系や分析系のシステムとの相性がいいです。
データベース操作もシンプルで、機械学習との連携にも使われます。 - 代表例:Instagram、Pinterest(一部)
Laravelとの比較表
フレームワーク | 使用言語 | 開発スピード | 日本語情報 | 初心者のとっつきやすさ |
---|---|---|---|---|
Laravel | PHP | ◎ | ◎ | ◎(特に日本人に人気) |
Rails | Ruby | ◎ | ○ | ○(慣れれば速い) |
Django | Python | ○ | ○ | ○(Python経験者向け) |
Laravelのここがスゴい!
Laravelには「かゆいところに手が届く」ような機能がたくさん備わっています。実際に使っていて便利だなと感じたポイントはこちら↓
1. 開発の流れが整っていて迷子になりにくい
どのファイルに何を書くのかが明確で、Laravelの「お作法」に従えば、自然とアプリ全体が整っていきます。
2. artisan(アルチザン)コマンドで色々自動生成できる
たとえば「コントローラーを作る」という作業も、手作業ではなくコマンド1つでOK。
php artisan make:controller RecipeController
と打てば、必要なファイルが自動で用意されます。
3. 認証・バリデーションもすぐ使える
ユーザー登録やログイン、フォーム入力のチェックといった機能も、Laravelには最初から備わっていて、導入も簡単です。
4. 日本語情報が豊富
日本語のチュートリアルや質問サイト、ブログ記事も多いため、つまずいたときも解決策を見つけやすいです。
Laravelで何が作れる?
Laravelは本格的なWebアプリケーションを作るのに向いています。
たとえば…
- レシピ投稿サイト(今私が作っているもの)
- SNSや掲示板
- ネットショップ
- 管理画面付きの業務システム
Laravelには「認証」「画像アップロード」「データの登録・更新・削除」といった基本機能が整っているので、アイデア次第でなんでも作れます。
Laravelを使うには何が必要?
Laravelを始めるためには、いくつかの準備が必要です。
必要なツール
ツール名 | 説明 |
---|---|
PHP | Laravelのベースとなる言語。8.x 以上が推奨 |
Composer | Laravelの依存パッケージを管理するツール |
Laravel Installer or Laravelプロジェクト作成コマンド | laravel new などで新規アプリを作成 |
開発環境 | Laravel Sail(Docker)やXAMPP、MAMPなどを使うとローカルで動かせる |
※私はDockerベースの環境(Laravel Sail)ではなく、VPS上に直接Laravelをインストールして動かしています。
まとめ
Laravelは、PHPで本格的なWebアプリケーションを作るための「開発者に優しい」フレームワークです。
最初はフォルダの構成や専門用語に戸惑うこともありますが、一歩ずつ進めていけば、確実にアプリらしいものが作れるようになってきます。
この連載では、そんなLaravelの全体像から、実際の開発に使う知識までを、私自身の学びとともに紹介していきます。
次回は、Laravelのプロジェクトを開いたときに現れる「たくさんのフォルダたち」が一体何をしているのか?を見ていきます。