【初心者向け】Illustratorのラスタライズ効果って何?解像度は300ppiでいいの?用途別に詳しく解説!

Illustratorでデザインをしていると、「ラスタライズ効果の解像度ってどうすればいいの?」と迷う場面がありますよね。
特に初心者の方からは、
- 「300ppiにしておけばいいって聞いたけど、実際よくわからない」
- 「72ppiと何が違うの?」
- 「そもそもラスタライズって何?」
という疑問をよく聞きます。
この記事では、初心者の方にも理解しやすく、ラスタライズ効果と解像度の基本から、用途に応じた最適な設定方法まで丁寧に解説します。
そもそも「ラスタライズ」って何?
Illustratorの画像には2種類ある
Illustratorは基本的に「ベクター画像」を扱うソフトです。これは、線や図形を数式やパス情報で構成しているため、拡大しても劣化しません。
一方で、「ラスタ画像(ラスター画像)」とは、ピクセル(ドット)の集合体でできた画像のこと。写真やスクリーンショットがこれにあたります。
ラスタライズとは?
ベクター画像をピクセル画像に変換する処理のことを「ラスタライズ」といいます。
Illustratorでは、以下のようなピクセルベースの効果を使うときに自動的にラスタライズされます。
- ぼかし(ガウスぼかしなど)
- ドロップシャドウ(影)
- 内側・外側のグロー(光彩)
- テクスチャ系のエフェクト
これらは数式で表現しきれないため、一時的にピクセル画像として処理されているのです。
ラスタライズ効果の「解像度」とは?
ラスタライズ効果を適用するとき、必ず設定されるのが「解像度(ppi)」です。
ppiとは「pixels per inch(1インチあたりのピクセル数)」の略で、画像のきめ細かさ=画質の高さを表します。
解像度によって何が変わる?
解像度 | 特徴 | 使用例 |
---|---|---|
72ppi | 画面表示向け。データが軽く処理も早いが、印刷には不向き | バナー、SNS画像など |
150ppi | 中間レベル。ラフチェックや簡易印刷に使える | 確認用PDF、社内資料など |
300ppi | 高解像度。印刷用に適した画質 | 名刺、ポスター、パンフレットなど |
解像度はどこで設定するの?
Illustratorのメニューから:
「効果」 → 「ドキュメントのラスタライズ効果設定」
ここで、以下のような設定ができます。
- 解像度(72/150/300ppiなど)
- 背景(透明 or 白)
- アンチエイリアス(表示をなめらかにするか)
この設定は、ぼかしや影などラスタライズを伴う効果の画質を左右する重要なポイントです。
【結論】基本は300ppi。ただし、常に正解とは限らない!
印刷目的なら300ppiでOK
- ポスター、名刺、フライヤーなど、紙に印刷することが前提のデザインなら、迷わず300ppiで設定しましょう。
- 特に写真や影、ぼかし効果を多用している場合、300ppiでないと仕上がりが粗く見えることも。
ただし用途によっては「下げたほうがいい」場合も!
1. Web・画面用なら72ppiで十分
- Webサイト、SNS用の画像は、そもそもモニター表示が72〜96ppi。
- 高解像度で作っても見た目はほぼ変わらないうえ、ファイルが重くなるだけです。
2. ラフ案や仮のデータなら150ppiが使いやすい
- 印刷前のチェック用データや仮提出用PDFは、150ppiでも十分見栄えが出ます。
- データが軽く、処理速度が速いので作業がサクサク進みます。
3. 複雑な効果を使うときは、処理負荷を避けるために一時的にppiを下げるのもアリ
- ドロップシャドウやぼかしを多用していると、300ppiだとIllustratorが重くなることもあります。
- 作業中は72〜150ppiにしておき、最終出力時に300ppiへ戻すと快適です。
解像度設定の目安まとめ(早見表)
用途 | 最適なppi設定 | 補足 |
---|---|---|
商業印刷(名刺、ポスター、冊子) | 300ppi | 高精細で仕上げたいときは必須 |
ラフ案・確認用資料 | 150ppi | 軽量かつそこそこ見栄えあり |
Web、SNS、アイコンなど | 72ppi | 表示用ならこれでOK |
作業中(効果の処理が重いとき) | 72〜150ppi | 最終的に戻せばOK |
最後に:作業内容と目的に合わせて柔軟に選ぼう
ラスタライズ効果の解像度は、すべてを300ppiにすれば安心!というものではありません。
目的に応じて、処理の軽さと画質のバランスをとることが大切です。
💡 ワンポイントアドバイス
- 効果をかける前にアートボードのサイズも意識しよう
→ たとえば巨大なサイズ(A1ポスターなど)で300ppiにすると、とても重くなります。 - Illustratorが重くなったときは、[表示] → [GPUプレビュー]や[アウトライン表示]で軽くなることも
この記事を読んで「なんとなく設定していたラスタライズ効果」に自信が持てるようになったら嬉しいです!不安なときは、とりあえず300ppiで保存しておいて、用途別に必要なら軽くしていく…という流れでもOKですよ。